ラオスと中国の関係はどうなるのか?

07/12の日本経済新聞の電子版に面白い記事が出ています。「アジアBiz新潮流 親中修正か成長重視か ラオスが探る新たな均衡」という題で近年中国に急接近して経済発展が加速していたラオスが、急速に親中路線を修正し始めたことについての記事です。

ラオスは、ベトナムと友好関係がありますが、中国が存在感を高めています。ビエンチャン市内の文化会館建設や、パトゥーサイの公園整備などは中国支援でしたし、もっとも大きいのは、2009年末のラオス初の国際大会となるSEAゲーム(東南アジア競技大会)のメインスタジアムで、このときはこの建設の見返りとして、数万人規模の中国人がビエンチャンに入っているということで大問題となり、日本のメディアなどでも取り上げられました。さらに、昨年明らかになった中国の支援による高速鉄道建設で、これでいよいよ、中国に取り込まれてしまうのではとの懸念があったのですが、ブアソン首相が親中派を制御出来ないことから辞任し、親中派の中心人物であったソムサワット氏は、常任副首相からただの副首相に降格となり、高速鉄道の着工式典の中止や中国との国交50周年の記念行事の取り止めなど、中国との関係の変化が報じられています。

とはいえ、海外からの投資を取り込まないと、今後の経済発展が難しいのも事実ですし、内陸国のラオスは、ベトナム、タイ、中国、そしてミャンマーに囲まれており、特にベトナム、タイ、中国とどのように対応するかで、今後の国の方向が決まると思うので、どういった動きをするのか注視したいです。