サイニャブリの水力発電ダム案件、地震で計画に懸念も

2011年4月に着工が予定されているサイニャブリ県でメコン川本流の水力発電ダムですが、23日午後10時53分にサイニャブリ県で地震があった影響で、計画に懸念が出るかも知れません。もともと、メコン川上流域では中国が4つの水力発電ダム建設を行いましたが、中流域では初となるメコン本流域でのダムということで生態系の問題やメコン川の水量の問題など環境への影響が危惧されています。世界自然保護基金(WWF)は、昨年、いかなるダム建設もメコン流域のラオス、タイ、カンボジア、ベトナムの何千万人もの生活や食料安全保障に影響を与えると警告しています。

今回のサイニャブリの地震ですが、2007年にもサイニャブリ県のすぐ北にあるウドムサイ県でM6.1の地震が発生しています。タイの地質学者によると北タイからラオス西北部を抜ける断層があるそうで、今回、地震の被害はないとされていますが、ビエンチャンやタイ北部、東北部などでも揺れを感じています。水力発電ダムの計画について、青の安全性などに疑問が投げかけられた格好です。

23日深夜の地震は、タイ気象庁は、M5.4、震源の深さ40キロと報じてました。米地質学調査所(USGS)はM4.6と報じています。震源の場所は、ビエンチャンから北西に141キロのところです。