ラオス・タイの国際鉄道サービスが公式オープン(2009/3/5)
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- 作成日:2009年03月06日(金)00:58
- 公開日:2009年03月06日(金)00:58
今日、ラオス・タイ間で、ラオスとタイを接続するラオス初の鉄道の公式開通式が行われています。言い方が難しいのですが、運行が開始されたわけではなく、いつでも運行してもいいよ、という状態に公式になったということです。運行開始時期は、現時点では未定で、近日中としか書けません。メディアの方も記事を正確に書くのに苦労すると思います。
理由は、ビエンチャンタイムスによると、タイ側のチェックポイント(出入国審査)の準備が出来ていないため、とのことです。チェックポイントオープンにあたり、国会での承認が必要とのことで、タイではご存じの通り、政情不安であったため、遅れているというのが今朝(3/5)のビエンチャンタイムスの報道でした。 運行開始時期等についてはラオス当局はコメントを避けています。タイ側のメディアもこのビエンチャンタイムスの記事を引用している形です。
式典は、シリントン王女は07:00にウドンタニから列車で、アビシット首相は陸軍用機で、ノンカイに到着し、タイ側からは、シリントン王女、アビシット首相、カシット外務大臣、チャーンチャイ工業大臣ら、 ラオス側はブンニャン副大統領、トルトン外務大臣、ソマート公共事業・輸送大臣らが出席してノンカイ駅で07:45から行われたようです。
その後、特別列車は第1友好橋を渡り、メコン川を越えてラオスに10:00ちょうどに到着。その後、同様にラオスのタナレーン駅にて、式典が行われました。式典は、というより、鉄道が公式開通するということ自体、ラオス国内では事前にアナウンスがされていないため、関係者のみが知る形になっており、見学客などはほとんどいなかったようです。
シリントン王女は、その後ビエンチャン市内に入る途中にあるタイのTOAペイント工場をご視察され、その後市内に入り、図書館などをご視察されたようです。
今日の午後以降のラオスのテレビでニュース報道していますので、ラオス人にも知られることになりましたが、もともとビエンチャン市内から20キロ離れているタナレーン駅までですので、インパクトがなく歴史的なイベントのわりに関心が非常に低いです。
タイのノンカイ駅からラオスのタナレーン駅までは、5.3キロ、友好橋の中間地点(国境)からタナレーン駅までは2.6キロです。新聞報道などで3.5キロとなっているのは、タナレーン駅からさらに900m先まで線路が敷設されているためです。この辺り、ちょっとわかりにくいので注意が必要ですね。タイの支援により敷設された合計が3,500mということです。
友好橋は、1994年4月8日にオーストラリアの支援で建設されました。建設当初から、鉄道が通ることが計画されており、「鉄道道路併用橋」となっています。2004年3月20日にタイとラオスの間でタナレーンまで線路を延長するための調印が行われ、2007年1月19日より、正式に建設が着工しています。
資金調達は、タイ側から無償供与と借款(低金利融資)を組み合わせて、1億9,700万バーツ(約6億円)となります。このうち、5,900万バーツ(30%)が無償、1億3,800万バーツが借款(70%)となり、近隣諸国経済開発協力庁(NEDA)を通じて拠出されています。
当初、2008年4月18日に開業が予定されていましたが、翌月に延期となり、一時期、日本のメディアでも、ラオス初の鉄道として、2008年5月運行開始が伝えられました。その後、様々な手続き上の問題で運行開始がされませんでした。
2008年7月4日?15日まで、ノンカイ・タナレーン間で試運転が開始され、2008年10月頃には、とりあえず、公式開通式を行わなくても、ソフトオープンの形で、運行が開始されるかと思ったのですが、結局、運行されず、今日、公式開通式が行われましたが、未だ運行開始(営業開始)は未定となっています。
鉄道ですが、ノンカイ駅・タナレーン駅間を一日2往復が予定されています。所要時間は15分です。運賃は、2等車が80バーツ、3等車が20バーツとなる見込みです。1日に500人の乗客を見込んでいます。
時刻については、未だ公式にアナウンスされているものはありませんが、列車番号69/70が次のように運行する見通しです。午前にタナレーン駅に到着した列車は一旦ノンカイ駅に戻り、夕方、もう一度戻ってくるといった感じになると思います。ですので、タナレーン発10:05は、ノンカイ駅で終点になりそうです。
- ノンカイ 09:10発、タナレーン 09:25着(バンコク20:00発、ノンカイ08:25着) 列車番号69
- タナレーン 10:05発 ノンカイ 10:20着
- ノンカイ 16:20発 タナレーン 16:35着、
- タナレーン 17:20発 ノンカイ 17:35着(ノンカイ18:20発、バンコク 06:25着) 列車番号70
(本当にあくまで予想ですが)10:05発は10:20にノンカイに到着しますが、ノンカイから連結する列車はないので、列車の旅をする場合は、13:03発のナコンラチャシマ行きに乗り継ぐ必要があります。
将来のタナレーン駅からビエンチャンまでの延伸計画については、タイ国鉄とラオスとの間で合意が得られているとのことです。
今回のタナレーン駅までの公式開通式は小さな一歩ですが、ラオス国内では、将来計画として、ビエンチャンから中部のカムワン県のタケークまでや、中国国境のボーテンからルアンパバーンまでの鉄道構想があります。そうした偉大な一歩になることを期待したいですね。
歴史的には、フランス統治時代に、荷物運搬のために鉄道を計画し南ラオスのシーパンドンのコーン島とデット島に線路の敷設跡があります。でも、やっぱり、正式開通と同時に運行(営業開始)してほしかったですね。