ラオス、脱北者9人を強制送還

ラオスで、中国経由で不法入国した脱北者男女9人が、検問でラオス警察に拘束されました。27日に北朝鮮の関係者に引渡し、飛行機により中国側に移送し、その後、高麗航空で北挑戦に送還されるという異例の速さの措置がとられています。今回、この9人の中に日本の拉致被害者の息子がいたのではというのを韓国紙の東亜日報が報じ、日本でも大きなニュースとなっています。

今回、飛行機で送還という異例の速さであったことから、重要人物が含まれていたのでは、という憶測を呼んでいるようです。また、ラオスは脱北者が中国→ラオス→タイと抜けていく脱北ルートの経由の中なのですが、北朝鮮側に身柄引き渡しを行なったのはおそらく初めてのことで、ラオスショックといえます。

ラオスは、フレンドリーな国民性で通常の旅行では社会主義国であることを感じることはありません。2011年9月にチュムマリー国家主席が北朝鮮を友好訪問し、昨年(2012/08)、北朝鮮の序列2位である金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長がラオスを公式訪問するなどし関係強化が図られています。今回もこうした背景があり、北朝鮮側の要求に応じるしかなかったのでは、と見られています。

韓国は、ラオスの証券取引所、メコン川の護岸工事の支援などを行い、近年ラオスでプレゼンスを高めていただけに、今回の脱北者の強制送還を非常に憂慮していると思います。